労働についての考察

労働には肯定的な思いと、否定的な思いが混在します。働きたい気持ちと働きたくない気持ちが混在します。単純に良し悪しを決められる問題でもなく、労働の在り方によっても見方が変わります。労働について考察したいと思います。

1.考察する問いは、労働の在り方

考察する問いは、労働自体の良し悪しではなく、労働の在り方について問いたいと思います。例えば、どのような労働が人にとって良く、どのような労働が合わないかなど、労働の在り方について考察します。
労働の良し悪しを考察しても、その労働がどのような労働か、労働の在り方によって、良し悪しも変わってくると思います。労働の在り方について考察したほうが、より本質的な問いになるかと思います。

2.現代社会の労働の在り方

社会から賃金を得る労働は、資本主義社会であれば、資本主義の影響を強く受けると考えます。もしその影響から外れたいのであれば、賃金が発生しない労働になると思います。例えば、家事などの自給自足的な労働や、ボランティアなどです。
資本主義における賃金労働は、活動目的が利益であるため、生産性や効率が優先されます。また生産性の観点から分業が進み、各自の労働力は、システムや組織の歯車として組み込まれていきます。労働者にとって活動が心地よいかは後回しです。
労働の在り方が、労働者に好ましいものに改善していかない要因の1つに、社会システムの構造があると思います。

3.労働の在り方の原点

労働の始まりは、狩猟詩集時代にさかのぼると思います。過去記事(狩猟採集時代との比較から分かること)にも記載していますが、人の性質はDNA的に、狩猟採集時代の影響が多分にあると思います。単純に人類史の中で期間が圧倒的に長いからです。
そもそも、狩猟採集時代は何のために労働していたのでしょうか。1つは生存のため、もう1つは、共同体のためと思います。狩猟採集時代は小さな共同体で生活していました。貧富の差は少なく、労働で得た食料などは、共同体の中で平等に分配されていました。働く目的としては、「傍(はた)を楽にする」という言葉がしっくりきます。
農耕牧畜が始まった頃から貧富の差が産まれ、産業革命や資本主義により資本家や経営者と労働者が分かれ、社会構造の変化によって労働の在り方も変わってきました。そして現代に至ります。現代の労働の在り方も社会システムの影響を多分に受けていると思います。
労働の在り方の原点を社会システムの影響を一旦外して考えてみると、生存のため、傍(はた)を楽にするため等ではないかと思います。

4.労働がつらいものになった要因

現代の労働が、多くの人にとってつらいものとなってしまった要因は、資本の歯車が労働者に求める活動と、労働者が無理なく提供できる活動の間に、ギャップが広がり続けたせいと思います。
例えば、会社員の労働時間や労働時間帯は、会社の利益を中心に設計されています。長時間労働や夜遅い時間の労働は、労働者の健康にとって最適ではありません。食事の時間も仕事に合わせ、夕食は遅くなりがちです。そうなると、お菓子などの間食が増え、寝る時間までの間隔も短くなります。太りやすい環境と思います。
また他の例では、利益を上げるためには、作業の無駄を省き効率的に生産性を上げることが求められますが、人間の体や脳はロボットのように効率だけを求めるように設計されていません。
もちろん個人差もあると思いますが、人の体や脳がこういったギャップに耐えられなくなった時、適応障害として労働の継続が難しくなるものと思います。適応できない人が障害扱いになるのは、資本≫≫労働者の力関係があるからでしょう。

5.労働環境の改善案 

5.1.量的な経済成長からの方向転換

では労働環境を改善するにはどうすればよいでしょうか。まずは長くなり過ぎた労働時間を短縮し、生産性のために高くなり過ぎた労働負荷を緩和することと思います。
構造的に資本家や経営者が改善することは難しいと思います。資本家や経営者は利益を中心に考える立場にあるからです。
政治は改善する力を持っています。労働者の声を反映した法律を定めれば、資本家も経営者も従うしかありません。しかし企業からの政治献金や、労働を増やすことによる利益増・税収増など、政治と経済界の利害が一致している状況では、政治も資本家や経営者寄りの政策になりがちです。労働環境の改善はなかなか進みません。
労働者個人にできることは、無駄な消費を減らすことと思います。消費が多いほど、資産が少ないほど、生存のための労働が必要になります。
日本のように労働人口が減ってく社会では、GDPも減っていくのは自然な流れと思います。無理にGDPを維持または増やそうとすると、外国人労働者を増やすか、高齢まで働いて労働量を確保する必要があります。
消費者が無駄遣いを減らせば、必要な産業は残り、あってもなくてもよい産業は淘汰されます。量的には経済成長やGDPは下がるかもしれませんが、経済の中身や質はあまり下げずにスリム化できるのではないかと思います。

5.2.AIによる労働

もしAIやAIロボットが人間の労働を代替えするようになれば、人が行う労働量が劇的に少なくなるかもしれません。もしそうなった場合は、少なくなった労働をワークシェアすることで、時短労働を実現できます。また労働量自体が劇的に少なくなれば、生産性もそれほど求められないかもしれません。一方で、収入も資産もない人には、ベーシックインカムのような無条件給付をする仕組みも必要になると思われます。
FIRE(経済的自立と早期リタイア。英語のFinancial Independence, Retire Early)という概念がありますが、もしベーシックインカムの導入が現実的になった場合は、FIRE経験者は、労働がないまたは少ない生活の先駆的な実験台として、貴重なサンプルになるかもしれません。

以上。

投稿者: おか

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