自分らしく生きることについて

人生のテーマとして、自分らしく生きることについて考えることがあります。

自分の考えを整理してまとめたいと思います。

1.参考となる先人の言葉

先に参考にしている偉人の言葉を幾つか紹介します。

・「世界には、きみ以外には誰も歩むことのできない唯一の道がある。その道はどこに行き着くのか、と問うてはならない。ひたすら進め。」(哲学者のニーチェ)

・「われわれの責任は先ず第一に、誠実にかつ徹底的に自分自身であることなのだ。」(心理学者のマズロー。マズロー心理学入門(中野明 著)から引用。)

・「絶えず人を何者かに変えようとする世の中にあって、自分らしくあり続けることは最大の偉業である」(思想家のエマーソン)

2.自分らしく生きるか、周りに合わせるか

自分らしく生きることを目指したほうがよいか、あるいは目指さないほうがよいか、賛否両論あると思います。

自分らしく生きない場合は、何を生き方の目安にするのでしょうか。おそらく世間の常識や、周りに合わせて生きていくことになると思います。例えば、周りが大学に行くから自分も大学に行く。周りが会社員に就職するから自分も会社員になる。定年まで会社員の人が多いから、自分も定年まで会社員を辞めないといった感じです。

自分らしい生き方ではないかもしれませんが、周りと一緒という安心感があり、多数派に属することでリスクを回避できる面はあると思います。特に自分なりにやりたいことがない場合は、これでもよいと思います。

しかし、自分なりにやりたいことができた場合や、周りの環境に強い違和感を感じた場合には、本心を押し殺して周りに合わせるか、自分らしい生き方を選択するか、迷いが生じると思います。

自分らしく生きることは、自分独自のユニークな生き方でもあり、必然的に周りと同じ道や、普通とされているレールから外れることになるかもしれません。そこには孤独や困難を伴うこともあり、安易な道でないかもしれません。失敗する可能性やリスクもあります。だから、万人に強要するものではないと思います。

しかしながら、本人が望んだものであれば、自分らしく生きることを肯定的に考えたいと思います。人には多様性があり、遺伝や性格や才能も異なります。自分に与えられた資質を活かして自己実現していくと、人それぞれ異なる生き方になると思うからです。自己実現へ向かうプロセスと、自分らしい生き方は、ほぼ同じになるのではないかと思います。

3.自分らしさは考えても分からない

自分らしさは、どうすれば見つかるでしょうか。自分探しをしても、なかなか見つからないと思います。考えるより、やってみて向き不向きが分かることのほうが多いと思います。才能のありなしも、チャレンジしてみて才能のなさを痛感することもあれば、意外な才能を発見することがあるかもしれません。とりあえず様々なことをやってみて、自己発見していくプロセスが近道なのかもしれません。

4.自分らしく生きることの難しさ

先人のエマーソンの言葉にもありますが、社会の中で自分らしく生きることの難しさを感じます。

まずはじめに、他人軸と自分軸の比較でいうと、自分らしく生きるとことは、自分軸で生きることになると思います。自分はこうしたい、こうありたいという自分軸の考えがあるからこそ、自分らしく生きたいと考えるのだと思います。

自分軸の考えと、他人軸(世間の常識や多数派)の考えは、異なることも多々あります。その場合に、世間とどう折り合いをつけるか、社会にどう適応するか、その難しさがあります。人は社会的動物でもあり、社会の中で生きていかなければなりません。自分軸を保ちつつも、社会に上手く適用する難しさがあります。

日本社会では、同調圧力や常識や多数派が優位な面があると思います。多様性を受け入れる社会が進めば、適用しやすくなると思います。

次に会社や社会が求める人物像というものがあります。会社が求める人物像は、会社の利益となる人物像です。会社の求める人物像だけを追い続けると、生産性や効率など会社の利益になる自己は成長させることができますが、会社の利益にならない自己(例えば、遊びや鑑賞する力など)は成長させることはできません。会社の利益にならない自己の育成は、趣味などのプライベートな時間を使うしかないと思いますが、果たしてフルタイム労働の会社員に、その時間と体力は十分に与えられているのでしょうか。疑問が残ります。

以上。