狩猟採集時代との比較から分かること

狩猟採集時代と比較することは、人間の性質と現代社会とのギャップを考察する上で、有効な視点を与えてくれると思います。狩猟採集時代との比較を通して、現代の生活を考察します。

人類の歴史は、期間的に狩猟採集時代が9割以上です。現生人類のホモ・サピエンスの誕生が約20万年前位、農耕・牧畜の開始が約1万年前位と言われています。農耕・牧畜の開始までは、狩猟採集社会でした。現代は社会環境が大きく変わりましたが、人のDNA的な性質は、狩猟採集時代につちかったものが多く残り、あまり変わっていないと思います。

1.食事

狩猟採集時代は、食料の確保が安定的でなく、食えない日もあったと思います。人体の進化の過程は、余ったカロリーを脂肪として蓄積するなど、飢餓や少食に対応できるように進んできたと思います。一方で、継続的な飽食には慣れていないと思います。

このことからも、食べ過ぎを続けることは体への負担が大きく、様々な健康問題をひき起こすことが推測されます。やはり腹八分目程度がよいのかもしれません。

2.運動

狩猟採集時代は、狩りや採集や移動などで、かなり歩いていたと思います。狩りや、危険な動物から逃げるたために、走る機会も多かったと思います。

ネットで検索してみると、狩猟採集時代の一日の平均歩数は、男性で約15km、女性で約9kmと推定されています。15kmはおよそ2万歩程度と思います。

ウォーキングやジョギングは、狩猟採集時代の生活から人体にフィットするので、健康によいのかもしれません。

座りっぱなしは、体に悪いことが医者からも指摘されていますが、狩猟採集時代の生活と比べても、体に合わないのかもしれません。

現代社会は、狩猟採集時代と比べると大幅に運動不足と思います。ウォーキングやジョギングなどの運動を増やすことで、体調が良くなるかもしれません。

3.労働時間

狩猟採集時代の労働時間は、1日あたり2~4時間程度と言われています。1日4時間とすると、休日の概念はないため、週28時間(4時間×7日)になります。

現代のフルタイム労働時間(週40時間+残業時間)よりも、だいぶ短い時間です。

フルタイム労働が、感覚的に長すぎると感じる労働者も多いと思いますが、狩猟採集時代との時間差も原因の1つかもしれません。1日6~7時間×週4日位の労働時間が、人体にはちょうどよいのかもしれません。

4.将来の心配や今を生きる

狩猟採集時代は、今日明日の生活のことは考えていたと思いますが、あまり先の将来のことは考えていなかったと思います。貯蓄や所有の概念がないので、直近の生活で必要な食糧を確保して、共同体で分配していたと思います。定住でなく移動しながら生活するので、先の事を考えても仕方ありません。だからこそ、「今を生きる」ことが、現代より容易だったと思います。

現代は、貯蓄や所有があり、先のことも想像できてしまうので、将来不安に陥り、「今を生きる」ことが難しくなっているのかもしれません。意図的に「今に」焦点を向けないと、未来の心配で時間や心を消耗しがちです。「今に」焦点を向けるように、意識したほうがよいかもしれません。

以上。