株式投資手法 第二回

今日は2021年の大納会の日である。カンカンカン、カネカネカネ、鐘を鳴らして今年の取引が終了する。

別の記事の『株式投資手法 第一回』の続きで記載する。

3.株価が下がった時に買い、上がった時に売る

唯一のノウハウである。単純にこれだけである。

銘柄の中間値を過去のチャートなどから定め、現在値が中間値より大きく下がっていたら買い増しする。大きく上がっていたら売る。

これだけでよいのだが、これが案外難しいのかもしれない。
余計な事をしないことが、一番難しいのかもしれない。株は欲が出てついつい余計なことをしてしまう。不安にかられても余計なことをしてしまう。

高値か低値の判定をするために、比較対象として株価の中間値を使用する。

中間値は、最も単純な計算では、高値と低値の平均になるが、株価のチャート(グラフ)は一様でないので、この計算式で求めない。チャートの形状や過去の株価の遷移を見て、中間値の目安をつける。

中間値とは、株価が高くも低くもない、中間くらいの株の標準価格を意味する。

もしよく分らなければ、とりあえず株の上下の波の真ん中付近を基準にして、それより少し高めに設定するか、低めに設定するか、真ん中付近にするか、過去数年の株価の動きを見て決めればよい。単に日安にするだけの値なので、感覚的に決めればよいと思う。

また、SBI証券のポートフォリオでは、現在の株価と平均取得単価の差を%で表示してくれる。他の証券会社でもだぶん表示すると思う。

平均取得単価とは、株の購入価格の平均である。

この差分がプラスの場合は、購入価格より、現在の株価のほうが高い。つまり利益が出ている。マイナスの場合は、購入価格より、現在の株価のほうが低い。つまり損失が出ている。+10%の場合は10%の増益、-10%の場合は10%の減益となる。

購入時の価格には依存するが、この差分(%)でも株価が下降しているか、上昇しているか、参考データになる。

操り返しになるが、ポイントは将来予測値でなく現在値で判断することである。

4.短期でなく、長期を基本とする。数カ月~数年程度の長期スパンで考えて投資判断する。

株は長期的なスパンで上下する。急落した株でも、2~3年も、放置しておけば、そのうち元の価格に戻ったり、元の価格によりも上昇することもある。短期的に見ると、株価が下落して焦って売ってしまうような状況でも、長期的スパンで考えてみて、今売るのが適切か否か、判断したほうがよい。

上がれば下がる、下がれば上がる。振り子のように上下しながら、株は概ね長期的には上昇していく。

5.まめに株をしない。株は放置が基本。必要な時だけ動く(売買)。必要な時はたまにしかない。

まめに株をすると、どうしても近視眼的な、短期の値動きで判断しがちだ。株は放置が基本で、売買が必要なタイミングはそんなにない。そういうタイミングが来たときにだけ、動いたほうがよい。

6.売り買いの判断時は、感情を除外する。冷静にデータだけで判断する。

投資判断をする際に感情的になっていた場合は、一旦判断をやめたほうがよい。冷静にデータだけを見るように考えなおしたほうがよい。長期スパンも含めて、データだけで判断し、感情は除外したほうがよい。

感情的とは、急落に動揺してとか、焦って買うとか、メディアの報道で上がりそうな気がしているとか、そういった感情で投資判断をすると失敗するケースが多い。

投資判断においては感情は除外して、冷静にデータだけを見て判断したほうがよい。

ケーススタディ

コロナ禍に僕が実際に行った投資行為をケーススタディとして紹介する。

JALの例を紹介する。コロナ禍により、JALの株は急落した。僕の株は、購入価格のマイナス55%位になった。半値以下である。その時の僕の対応を紹介する。

対応1(運用方針の六の型)

ヘー半分になるんだ、コロナ禍ほどのパンデミックが起きると、これくらい株価が下がるんだ、勉強になった。とこんな感じだ。まず動揺しないことが大事だ。感情的になって焦って売ってはダメである。運用方針の6の型、感情的を除外する。

対応2(運用方針の三の型)

そういえば、半値以下なら中間値より、相当安い。買い増しのチャンスだ。僕はこのタイミングで結構な額の買い増しを行った。保有したい株数より少し多めに買った。後で高値になった時に売れば、保有したい株数に調整できる。こういうタイミングで、多めに買い増しすると、平均取得単価が下がる。つまり現在値と平均取得単価との差が少なくなる。

この買い増しにより、JALの株をマイナス30%くらいまで戻しておいた。
運用方針の3の型、現在値が中間値より大きく下がっていたら買い増しする。

対応3(運用方針の五の型)

やることやったので、後は放って置こう。運用方針の5の型、放置である。

しばらく放置し株価を見てみると、少しずつコロナ禍も状況が緩和され、JALの株価も戻ってきた。2021年12月30日の大納会の時点で、マイナス14%まで戻している。

対応4(運用方針の四の型)

ここまで戻せば、たぶん勝てる。まだ国内旅行している人も少ないし、海外旅行をしている人もあまりいない。新型コロナのオミクロン株の影響で、JALの株は再び下がっている状況である。この状況でマイナス14%であれば、2022年に旅行が再開する頃まで放置しておけば、株価はたぶんプラスに転じる。2022年~2023年くらいまで(運用方針の四の型)放置しておけば、たぶん勝てる。その時、少し買いすぎた分を売り利益確定し、保有株数を調節すればよい。半値以下になった株で、勝つ見通しがついた。

対応5(運用方針の一の型、二の型)

上記以外は何もしていない。余計なことは何もしていない。運用方針の1の型、余計なことは一切しない。また、現在値だけで判断している。運用方針の2の型、株価の予測はしない。現在値だけを見る。

結果

運用方針の一~六の型の実施により、半値以下に急落した株で利益を出せる見通しがついた。僕の株式投資手法はこんな感じである。あくまで参考例として紹介する。

以上。