地球温暖化の課題であるCO2削減対策について案を記載する。
今、世間ではCO2の排出量を削減することが主な対策になっているが、加えて排出済の空気中のCO2を削減するという視点があってもよいのではないかと考える。本記事では、後者について記載する。
1.空気中のCO2の減らし方
空気中のCO2を減らすにはどうすればよいか。二通りの考え方があると思う。
方法1:空気中へのCO2の排出量を削減する。
方法2:空気中のCO2を削減する。
今、世界各国で、よく議論されているのは方法1の手段と思う。〇%削減等の努力目標を国際会議等で宣言している。一方で、方法2の手段は、世間であまり話題となっていない。本記事では、方法2について提案したいと考える。
2.空気中のCO2を削減する
空気中のCO2を削減するにはどうすればよいか。
答えはシンプルで、植物を増やせばよいと考える。
植物は、光合成により、CO2をO2に変換することができる。植物の光合成により、空気中のCO2は削減する。植物が増えれば、CO2が削減する。
CO2の排出量を2%削減することと、陸上(空気中)の植物を2%増やすことは、その目的(空気中のCO2削減)において、同値(=)とならないか。2%というのは例であり、N%であってもよいと思う。
更に、植物は食物連鎖の中で他の生命を捕食しないという特徴(参考:植物について 食物連鎖の要となる重要な役割)を持つ。植物が増えても、他の個体が捕食され減少する等の生態系のバランスが崩れるデミリットも、あまりないと思われる。
3.植物の増やし方
植物の増やし方は、色々あると思うが、案の1つを記載する。
3.1.人工の森を作る
実は日本人は人工の森を作った実績がある。明治神宮の森である。
明治神宮は東京都渋谷区にある神社で、JR山の手線の原宿駅や代々木駅から徒歩数分程度で行ける。初詣では例年日本一の参拝者数となる日本でも有数の神社だ。京都の神社を見慣れている目の肥えた僕が、関東で最も好きな神社でもある。
明治神宮には立派な森がある。
その森は神社らしく静謐であり、
木漏れ日などの自然の光が差し込み、
鳥の声を乗せた心地いい音にあふれ、
都会のオアシスとなっている、立派な森がある。
その森は、日本人が人工的に作った森である。
日本には世界的にも珍しい人工の森を作った実績がある。世界にも、そのノウハウを輸出可能と思う。何なら神社もオプションとしてセット販売してはいかがだろうか。
《参考文献(ネット検索)
明治神宮の森は、不毛の地だった原宿駅周辺を約100年かけて人工の森にした。
かつてこの一帯は代々木の地名となった1本の大きなモミの木が目立つくらいで、「土地が荒れ果て不毛の地であった」と資料に残されています。
100年前、全国から寄付された約10万本もの献木を、のべ11万人もの人々が奉仕(ボランティア)により一本一本植えて造りあげた、世界でも珍しい「人工の森」です。森は3000種もの生物の宝庫となりました。
――ここまで》
3.2.植物への水の供給方法
植物を植えた後、雨が降る地域は問題ないが、雨の降らない乾燥地帯などの地域では水の供給が重要課題となる。水さえ定常的に供給できれば、植物の生態系は持続可能である。
3.2.1.水のパイプライン構想
人工の森が都市の近くにあれば、水道を引くというのも一手と思う。ガスや石油のパイプラインが構築できるのであれば、水のパイプラインも構築可能と思う。
日本国は、世界でも水道技術が発達している国である。日本の得意分野である。世界に水のパイプライン構想を提案し、その構築をビジネスソリューションとして各国から受注し輸出すればよいと考える。
3.2.2.海から陸に水を運搬する逆流型人工河川構想
海から海水を収集し、海水から淡水を抽出した後に、自然エネルギー(洋上風力発電等)の動力を使用して水を下流から上流に運搬する。運搬する際は、水が下流に流れ落ちないように、製氷皿のような膜で仕切るとよいと思う。
砂漠地帯など、人が住んでいない地域では、人工河川となる水路を構築しやすいと考える。人の立退き問題などのハードルが低い。
微少かもしれないが、海水を抜くことで温暖化による海面上昇の対策にもなるかもしれない。
以上。