哲学についての考察

私は哲学関連の本を読むことや、人生のテーマについて考えることがあります。哲学について考察したことを記載します。

1.哲学と心理学の違い

心理学と哲学は、扱う分野は似ていますが、探求方法のアプローチが異なると思います。

心理学は、前提としてサイエンスであり、検証や統計などのデータで論理を裏付けします。検証データをエビデンスにするため、根拠が明確で説得力があります。
統計データの性質上、多数派や一般的な人の性質が現れます。例えば、100人中、80人がAを選択し、20人がBを選択した場合、ある条件で人はAを選ぶ傾向があるという性質が示されます。一般的な傾向を示すことには適しますが、少数派の考えは抜け落ちることもあると思います。

哲学は、個人的な主観であり、扱うテーマも正解がないので、正しさを証明することは難しいと思います。ただ正解がないゆえに、多様な考え方が産まれる面白さもあると思います。哲学は、しばしば常識を疑う問い(例えば、常識とされる〇〇は本当にそうなのか等)も含むため、少数派(常識外れ)の考えが主張されることもよくあります。例えば、哲学者ニーチェは、キリスト教人口も多い19世紀ヨーロッパで、キリスト教を批判する考えを主張しました。「神は死んだ」という有名な言葉も残しています。個人的には、少数派の考えは、面白いことも多いので目を向けたくなります。

歴史としては、圧倒的に哲学のほうが古いので、古典は哲学のほうが豊富にあると思います。古代ギリシャ哲学者のソクラテスが紀元前5世紀頃で、哲学は紀元前から現代まで、世界各地で続いています。

心理学は比較的最近の学問で、19世紀後半頃に誕生したと言われています。新しい学問なので、伸びしろはまだまだあると思います。今後、脳科学等とも結びついて、サイエンスとしての研究データが積み上がっていくと思います。

2.哲学本の多様な書風(文学的、数学的、エッセイ的等)

過去の哲学本を幾つか読んでみると、様々な書風があることが分かります。

哲学書といえば、体系立てて論理的に記載された本を想像しますが、エッセイ風に記載された本や、物語り風(文学的)に記載された本、数学のような論理的な本などがあります。例えば、以下のような本です。

・エッセイ風の例:モンテーニュ著『エセー』、ショーペンハウワー著『幸福について』

・物語り風(文学的)の例:ニーチェ著『ツァラトゥストラはこう言った』

・数学のような論理的な例:スピノザ著『エチカ』

読みやすいのは、エッセイ風や、物語り風(文学的)の本と思います。また哲学本に分類されていない文学作品(例えば、ゲーテやヘッセの作品等)の中にも、多分に哲学的な問いやテーマを含んだものもあります。文学と哲学には明確な境界線はなく、重なる部分も多いのではないかと思います。

3.哲学に正解はないが、多様な考え方がある

哲学が扱うテーマは、絶対的な正解はないと思います。だからこそ、問いが続き、様々な考え方が産まれるのだと思います。哲学者どうしで、意見が分かれることも多々あります。

アリストテレスは、師匠のプラトンの学説を批判していますし、パスカルは、同時代の同じフランスの哲学者であるデカルトを批判しています。哲学における批判は、否定というよりも吟味のような意味合いであり、ネガティブなものではありません。

哲学に数学や物理学のような学説はありません。ウィトゲンシュタインは『論理哲学論考』で「哲学は学説ではなく活動である」と述べています。「哲学を学ぶことはできない。ただ哲学することを学びうるのみである」というカントの言葉もあります。数学の方程式のように、万人に共通の正解がないことが、哲学の特徴であると思います。

正解がないことで、多様な考え方が産まれると思いますが、多様な考え方を知ることで物差しが増え、視野が広がると思います。また自分でも考えてみて、自分の考えを持つことも良いと思います。自説に固執することもないですが、自分の考えがないと対話もできないので、自分の考えを持ちつつ、他者の異なる意見にも耳を傾けて多様性を受け入れる姿勢位がよいのではないかと思います。

以上。